文献詳細
実験講座 細胞内成分の分画・10
文献概要
ミクロゾームは細胞のホモジネートから核やミトコンドリアなどの大きな顆粒成分を遠心除去した上清をさらに大きな遠心力にさらしたときに沈降してくる微小顆粒集団につけられた総称である。その大部分を占める膜成分(小胞体)は生きた細胞内でendoplasmic reticulumと呼ばれている,三次元的に発達した膜状構造がホモジナイズにより細断され,小胞に変えられたものであり,その表面にリボゾームが付着しているか否かにより,それぞれ粗面小胞体および滑面小胞体と呼ばれている。ミクロゾーム画分にはこのほか,膜に結合していなかつた遊離リボソーム,細胞膜やゴルジ膜などの破片,さらに肝臓においてはフェリチン粒子やグリコーゲン顆粒なども含まれてくる1)2)(第1表参照)。
ミクロゾーム画分はもともとこのように不均一なものであるし,また核やミトコンドリアとは異なり組織や細胞の種類によつてその内容を異にしているので分離の際の溶媒,遠心条件などは材料の種類や実験目的に応じて適当に選択すべきであろう。
ミクロゾーム画分はもともとこのように不均一なものであるし,また核やミトコンドリアとは異なり組織や細胞の種類によつてその内容を異にしているので分離の際の溶媒,遠心条件などは材料の種類や実験目的に応じて適当に選択すべきであろう。
掲載誌情報