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文献詳細

雑誌文献

生体の科学2巻1号

1950年08月発行

文献概要

研究報告

人の鼻翼の汗腺に就て,特に所謂エックリン汗腺のアポクリン性分泌

著者: 伊東俊夫1 大田隆子1

所属機関: 1東京女子医学專門学校解剖学教室

ページ範囲:P.39 - P.42

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 1.緒言
 著者等の1人伊東(1943,1944)は人の所謂エツクリン汗腺には2種類の腺細胞があり,その中表層細胞は腺腔を直接囲むが,基底細胞は腺腔に迄達しないで,その間にある細胞間分泌細管によつて腺腔と連絡することを人体諸部位に於て証明した.特に表層細胞はアポクリン性分泌を営むことを発見し,エツクリン汗腺なる名称は少くとも人に於て妥当でないことを強調した.併し基底細胞はエツクリン性分泌を行うのであるから吾々はこの汗腺をアポエツクリン汗腺(apoekkrine Schweissdrüse)或は両性分泌汗腺(amphikrine Schweissdrüse)と呼ぶことを提唱したい.伊東の研究によれば分泌顆粒の固定上及び染色上の性質から見ると両種腺細胞の分泌物は等しくない.從つてこの汗腺はheterokrine Drüseの中え加えられるべきものである.
 吾々は本研究に於て人の鼻翼汗腺を組織学的細胞学的に研究したが,特に伊東の「所謂エツクリン汗腺のアポクリン性分泌」説を明瞭に支持する如き所見を得た.本研究の所見によつて伊東の説は確認されるに至つたと言うことが出來ると思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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