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1.私共が生體についてイオン交換吸着の現象を考えるようになつた端緒は,生きているガマを使つて皮膚の水透過量を測定する實驗1)2)に次いで,イオン交換樹脂を用いて卵白アルブミンの脱鹽を試みる實驗3)を行つた,ことにはじまる。透過性とイオン交換樹脂の間には一見何の關連もないが,實驗を進めるに從つてイオン交換現象が生體内に於ても行われること,それがイオンの透過性,拮抗作用,中毒等を理解する上に重要な鍵であるらしいことが明かになつてきた。又血液特有のはたらきと考えられ勝ちHの緩衝作用は,むしろ體内の蛋白一般のもつ普遍的なはたらきと考えられ,又蛋白一般のもつ緩衝作用はHに對するだけでなく,廣く陽イオン一般にも及ぶと考えられるようになった。從つて又,Hと他の陽イオンは生體内で干渉することが考えられ,そのことから臨床上認められている酸血症と中性鹽類の關係が理解される。これらの點については後に言及する。
以上にのべたことの一部は尚推定の範圍を出ないが,とに角私共は生體内での蛋白質とイオンの相互關係に強く興味をひかれ,實驗を進めている。
以上にのべたことの一部は尚推定の範圍を出ないが,とに角私共は生體内での蛋白質とイオンの相互關係に強く興味をひかれ,實驗を進めている。
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