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文献詳細

雑誌文献

生体の科学2巻4号

1951年02月発行

文献概要

報告

心臓靜脈洞の内壓及び容積の變積とその外部的仕事(その1)

著者: 矢部敏雄1

所属機関: 1日本大學醫學部生理學教室

ページ範囲:P.181 - P.184

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 Ⅰ.緒言
 心臓内壓の搏動周期に伴う時間的變動についてはPiper(1)が詳細に研究して以來,多くの報告がなされている。心内壓曲線(tonogram)は心臓の搏出量(cardiac output)を左右する要因の一つであり,搏出量の測定には"Fickの原理"(Fick's principle)を基礎とするのである。Fickの原理は
 搏出量(毎分)=消費O2量(毎分)/動脈血O2-靜脈血O2=産生CO2(毎分)/靜脈血CO2-動脈血CO2
で表現せられる。Patterson and Starling(2)はFickの線に沿つて搏出量の測定を詳細に研究し,いわゆる"Starlingの法則"(Starling's law)を確立した。この法則は骨骼筋について得られた結果とよく一致することは興味の多い點であろう。
 最近人間の心臓の搏出量についての研究が活溌に展開されて來た。例えばCournand, Ranges and Riley(3)は正常循環時に於ける搏出量をO2消費量その他から測定しておる。殊に心臓消息子法の最近に於ける研究は著しくわが國でも既にこの方面の研究がはじめられ右房並びに右室のO2消費量並びにelectrocardiogramの研究に新生面が拓かれようとする機運にある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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