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麻醉藥に對する電撃痙攣の拮抗作用と協力作用
著者: 田中潔1 菅陞1
所属機関: 1米子醫科大學藥理學教室
ページ範囲:P.267 - P.270
文献購入ページに移動 緒言
頭部に電流を通じて起させるいわゆる電撃痙攣(以下ESと略記する)は,はじめ激しい中樞刺戟の結果痙攣を起し,それが終ると麻醉状態に陷つて後意識を恢復するという經過をとる。すなわちESは中樞興奮及び麻醉の両作用を相次いで發揮するといえる。故に麻醉藥を豫め投與した場合に應用すれば,麻醉覺醒的に作用するか或は麻醉増強的に作用するかの何れかが現われる筈である。前者ならば急性麻醉藥中毒の治療に,後者ならば電氣麻醉の補助に用いられる可能性にそれぞれ導かれて頗る興味ある示唆となるであろう。
頭部に電流を通じて起させるいわゆる電撃痙攣(以下ESと略記する)は,はじめ激しい中樞刺戟の結果痙攣を起し,それが終ると麻醉状態に陷つて後意識を恢復するという經過をとる。すなわちESは中樞興奮及び麻醉の両作用を相次いで發揮するといえる。故に麻醉藥を豫め投與した場合に應用すれば,麻醉覺醒的に作用するか或は麻醉増強的に作用するかの何れかが現われる筈である。前者ならば急性麻醉藥中毒の治療に,後者ならば電氣麻醉の補助に用いられる可能性にそれぞれ導かれて頗る興味ある示唆となるであろう。
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