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文献詳細

雑誌文献

生体の科学20巻1号

1969年02月発行

文献概要

実験講座 細胞内成分の分画・11

ミクロゾームの分離と細分画法(2)

著者: 伊藤明夫1

所属機関: 1九州大学医学部生化学教室

ページ範囲:P.13 - P.20

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 Ⅲ.ミクロゾーム(小胞体)の細分画法
 前号で述べたように,ミクロゾーム画分はかなり不均一なもので,主成分である小胞体にしても,表面にリボゾームがついている粗面小胞体(rough-surfaced microsomes)と,ついていない滑面小胞体(smooth-surfaced microsomes)との二種の形態的に異なる膜成分に分けられる。この他,ミクロゾーム画分には遊離リボゾーム,グリコーゲン顆粒,フェリチン粒子などの非膜成分も沈降してくる。これらの成分が形態的ばかりでなく機能的にも異なつているのではないかということは,ミクロゾームの機能的多様性から容易に予想される。そこで,それぞれの成分の機能を厳密に調べるためには,ミクロゾーム画分をさらに細分画して各成分をより均一に分離することが必至となる。
 ミクロゾームの細分画の試みは先ず,リボゾームを他の成分(特に膜成分)から分離することにはじまつた。近年になり,ミクロゾームの構成成分の大きさや密度についての知見と遠心技術の進歩とが相俟つて,粗面小胞体と滑面小胞体,膜成分と非膜成分などの相互分離が可能になり,いくつかの方法が報告されるに至つた。以下に,それらのうちの代表的な方法を紹介する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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