文献詳細
文献概要
主題 発生,分化・2
発生過程における核酸合成の調節機構
著者: 山名清隆1
所属機関: 1九州大学理学部生物学教室
ページ範囲:P.50 - P.62
文献購入ページに移動 Ⅰ.はじめに
1964年,BrownとLittna1)2)によつて,南アフリカ産ツメガエル(Xenopus laevis)卵や胚におけるリボゾームRNA(r-RNA)***,転移RNA(t-RNA)およびメッセンジャーRNA(m-RNA)の合成パタンが発生にともなつて変化する様子が明らかにされたが,これが発生過程における核酸合成の研究が近代的な装いで登場した最初のものであつた。それまでの生化学的発生学のテキストブック,たとえばBrachet3)の"The Biochemistry of Development"を見ると,そこには1960年頃の,この分野のまことにみじめな姿が浮きぼりにされている。
もちろん,現在,なにもかも明らかにされているというわけではない。まだまだほとんど理解できないことがたくさんあるし,核酸合成の調節機構についてもようやく研究がはじまつたばかりである。しかし,現在,われわれが新しい,急激な知識の進展期に直面しているのは疑いのないところである。
1964年,BrownとLittna1)2)によつて,南アフリカ産ツメガエル(Xenopus laevis)卵や胚におけるリボゾームRNA(r-RNA)***,転移RNA(t-RNA)およびメッセンジャーRNA(m-RNA)の合成パタンが発生にともなつて変化する様子が明らかにされたが,これが発生過程における核酸合成の研究が近代的な装いで登場した最初のものであつた。それまでの生化学的発生学のテキストブック,たとえばBrachet3)の"The Biochemistry of Development"を見ると,そこには1960年頃の,この分野のまことにみじめな姿が浮きぼりにされている。
もちろん,現在,なにもかも明らかにされているというわけではない。まだまだほとんど理解できないことがたくさんあるし,核酸合成の調節機構についてもようやく研究がはじまつたばかりである。しかし,現在,われわれが新しい,急激な知識の進展期に直面しているのは疑いのないところである。
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