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文献詳細

雑誌文献

生体の科学20巻2号

1969年04月発行

文献概要

解説講座 鼎談

カテコールアミンについて(2)

著者: 吉田博1 菅野富夫2 大塚正徳3

所属機関: 1大阪大学医学部薬理学教室 2東京大学医学部生理学教室 3東京医科歯科大学医学部薬理学教室

ページ範囲:P.75 - P.82

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 □分泌について□
 大塚 Vesiclcの表面の皮が残るという点についてお話し下さい。
 吉田 クローム親和性顆粒中にある例の蛋白に対する抗血清を用いて,その特殊な蛋白を定量しますと,カテコールアミンの分泌が起こる際,その蛋白は灌流液中に,すなわち細胞外にポーンと出てくる。しかし,細胞質の中には見出すことができない。だから,中身だけが出たのだというわけです。そのほかに,もちろん,ATPがそのままあるいは水解されADP,AMPとなつて出てきます。それから,クローム親和性顆粒だけを取つてきて,低張に処理しますと,中味は全部出てしまい,カラだけが残る。カラに何があるかといいますと,ATP aseとdopamine β-hydroxylaseがあります。いまカテコールアミンを分泌させるとき,dopamine β-hydroxylaseなど顆粒膜にあるものは外側へ出ないと言われています。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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