文献詳細
文献概要
主題 発生,分化・3
組織の再構成
著者: 黒田行昭1
所属機関: 1国立遺伝学研究所形質遺伝部
ページ範囲:P.106 - P.122
文献購入ページに移動 I.はじめに
高等生物の体は,多くの構成細胞がたがいに有機的な関係を保つて,形態的にも機能的にも異なつた多種多様の組織なり器官なりを形成し,個体としてはみごとな調節統制のもとにその生活を営んでいる。
このような非常に複雑な体制をもつた高等生物の体も,その発生の始まりは1個の受精卵細胞であり,数多くの細胞分裂を重ね,組織形成,器官形成という細胞の形態形成運動を経て,特異な立体的細胞配列が形成され,これと前後して種々の特異形質が発現してくる。単一細胞に由来した遺伝的には均一と考えられる細胞のクローンの中に,このような多種多様の異質細胞を生ずる現象は,高等多細胞生物独特のものであつて,微生物や単細胞生物などで見られる胞子形成などの細胞集団の同調的な変化とは明らかに異なつた現象である。
高等生物の体は,多くの構成細胞がたがいに有機的な関係を保つて,形態的にも機能的にも異なつた多種多様の組織なり器官なりを形成し,個体としてはみごとな調節統制のもとにその生活を営んでいる。
このような非常に複雑な体制をもつた高等生物の体も,その発生の始まりは1個の受精卵細胞であり,数多くの細胞分裂を重ね,組織形成,器官形成という細胞の形態形成運動を経て,特異な立体的細胞配列が形成され,これと前後して種々の特異形質が発現してくる。単一細胞に由来した遺伝的には均一と考えられる細胞のクローンの中に,このような多種多様の異質細胞を生ずる現象は,高等多細胞生物独特のものであつて,微生物や単細胞生物などで見られる胞子形成などの細胞集団の同調的な変化とは明らかに異なつた現象である。
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