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文献詳細

雑誌文献

生体の科学20巻4号

1969年08月発行

文献概要

主題 発生,分化・4

骨の発生

著者: 山形達也1 金子正幸2 岩田久2

所属機関: 1名古屋大学理学部化学教室 2名古屋大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.142 - P.157

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 「骨」と言えば,もうそれだけで読者の方々が,私たちが何について語ろうとするかを理解されるほど,なじみの深い組織の一つである。しかし,なじみ深い組織にしては,この骨のでき方,つまり骨の発生はわからないことが多い。受精卵が卵割をくりかえして,やがて個体になる間の変化を取り扱う「発生学」は,ただ記載だけしていて,本質的には細胞の分化の要因をあきらかにしていないのではないかという批判は,この揚合にもあてはまる。つまり,骨の発生の刻々の変化は,実に綿密に記載されているのだが,「何故そうなるか」という問いには答えていないのである。
 私たちの大半は正常な骨をもつているが,異常な骨(骨形成不全,骨腫瘍とか)の出現する割合も決して少なくないのである。このような場合の真の原因を明らかにし,治療に成功するには,正常な骨組織の発生の研究が単に記載に終つていては駄目なのであつて「何故そうなるのか」と骨組織の因果関係を明らかにする態度が必要であろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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