文献詳細
文献概要
主題 味覚・1
味覚刺激の受容と味覚の信号
著者: 佐藤昌康1
所属機関: 1熊本大学医学部第二生理学教室
ページ範囲:P.190 - P.202
文献購入ページに移動 Ⅰ.二つの味覚の経路
哺乳動物の味覚信号が主として二つの経路によつて伝えられることは古くから知られていることである。すなわち舌の前2/3は舌神経—鼓索—顔面神経の経路で伝えられ,後1/3部の味覚は舌咽神経を経由する。他方,ヒトの舌の四基本味に対する感受性は部位によりことなり,舌先部は甘味に,舌縁部は酸味に,舌根部は苦味に敏感である。塩味は舌先部と周縁で一様に感じられる。
多くの電気生理学的研究では,舌刺激によつて鼓索神経に起こる電気的活動を記録するか,1本の神経線維のインパルス放電を記録する方法が用いられてきた。前者の場合には,定量化のために,神経のインパルス活動を積分回路をとおして平均化し,その出力の高さをもつて応答の大きさをあらわす方法が用いられている1)。
哺乳動物の味覚信号が主として二つの経路によつて伝えられることは古くから知られていることである。すなわち舌の前2/3は舌神経—鼓索—顔面神経の経路で伝えられ,後1/3部の味覚は舌咽神経を経由する。他方,ヒトの舌の四基本味に対する感受性は部位によりことなり,舌先部は甘味に,舌縁部は酸味に,舌根部は苦味に敏感である。塩味は舌先部と周縁で一様に感じられる。
多くの電気生理学的研究では,舌刺激によつて鼓索神経に起こる電気的活動を記録するか,1本の神経線維のインパルス放電を記録する方法が用いられてきた。前者の場合には,定量化のために,神経のインパルス活動を積分回路をとおして平均化し,その出力の高さをもつて応答の大きさをあらわす方法が用いられている1)。
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