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文献詳細

雑誌文献

生体の科学20巻5号

1969年10月発行

文献概要

解説講座 鼎談

Renin-Angiotensin系(1)

著者: 曾我部博文1 福地総逸2 今井正3

所属機関: 1東邦大学医学部薬理学教室 2東北大学医学部鳥飼内科 3東京大学医学部小児科学教室

ページ範囲:P.216 - P.226

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 曾我部(司会) 今日は福地先生,今井先生にrenin-angiotensin系に関する最近の進歩についてお話し願います。このrenin-angiotensin系の研究の歴史は非常に古く,reninが腎臓の中にある昇圧物質として発見されたのは1898年Tiegerstedt, Bergmanの2人によつてであります。その後,reninが血中の基質に働いて,angiotensinをつくり活性をあらわすということが明らかになり,renin-angiotensin系と呼ばれるようになりました。reninが最初に発見されたいきさつからもわかるように,reninというのは非常に強い昇圧性の物質であります。このためにまず最初に高血圧症との関係が非常に考えられました。現在でもまだこの問題については学者の間でいろいろな論議があります。その後,1960年ごろになつてrenin-angiotensin系がアルドステロンのstimulating factorであるということが明らかになりました。
 最近ではこの点についても若干の反省があるというのが現状であります。最近では腎臓の中の調節因子(intrarenal regulator)としての役割りをrenin-angiotensin系に持たせようという考えが出ています。このように長い歴史を持つrenin-angiotensin系ですので,多方面の課題をかかえています。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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