文献詳細
主題 聴覚・2
文献概要
I.はじめに
動物が音波を発し,物体からはね返つてくるこだまを聞きながら,その物体の位置と性質を確認することはecholocation(こだま定位***)と呼ばれる。動物,特にコオモリのこだま定位が1940年代の初めにD. R. Griffin1)とその友人達によつて明らかにされて以来,動物学者はもちろんのこと生理,心理および電子工学関係の研究者の興味を強くひきつけてきている。1967年にはAnimal Sonar Systemsという談話会が一週間にわたつて開催されたほどである2)。
コオモリ以外では歯クジラ,オイルバード,イワッバメなどがこだま定位する1)。ミズスマシは水面を伝わる波紋を分析しながら泳ぎまわつている3)。われわれも直径15cm位の円板なら2m離れた所からこだま定位できる4)。聴覚の発達した動物なら原理的にはこだま定位できるはずであるが,特別な場合以外は生活環境に則して有利な視覚によつて物体を確認している。
動物が音波を発し,物体からはね返つてくるこだまを聞きながら,その物体の位置と性質を確認することはecholocation(こだま定位***)と呼ばれる。動物,特にコオモリのこだま定位が1940年代の初めにD. R. Griffin1)とその友人達によつて明らかにされて以来,動物学者はもちろんのこと生理,心理および電子工学関係の研究者の興味を強くひきつけてきている。1967年にはAnimal Sonar Systemsという談話会が一週間にわたつて開催されたほどである2)。
コオモリ以外では歯クジラ,オイルバード,イワッバメなどがこだま定位する1)。ミズスマシは水面を伝わる波紋を分析しながら泳ぎまわつている3)。われわれも直径15cm位の円板なら2m離れた所からこだま定位できる4)。聴覚の発達した動物なら原理的にはこだま定位できるはずであるが,特別な場合以外は生活環境に則して有利な視覚によつて物体を確認している。
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