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文献詳細

雑誌文献

生体の科学21巻3号

1970年06月発行

文献概要

主題 聴覚・2

レセプターポテンシャル

著者: 古河太郎1

所属機関: 1大阪市立大学医学部生理学教室

ページ範囲:P.120 - P.131

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 I.はじめに
 Hollowell Davisによればreceptor potentialとは受容器において刺激に応じて発生する電位と規定され,一方generator potential(発動器電位,ただし適当な訳語とは考えられない)は神経にインパルスをひきおこす電位と定義されている2)。すなわち神経などの興奮性形態において活動電位がいきなり始まることはなく,それに先行して別の形の脱分極がまずおこりそれが閾値をこえる場合に全または無の法則に従う活動電位が発生する。たとえばシナプスでは興奮性シナプス後部電位(EPSP)がそれに当り,自動性を有する心筋では歩調とり電位がその役割を果している。さて受容器はしばしば第1種と第2種とに分類されるが,パチニ小体のような第1種の受容器では知覚神経線維の終末が分化して受容器の働きを演じておりこのものではreceptor potentialがgenerator potentialとしての機能をも果している。ところが第2種の受容器では上皮細胞などから由来する受容細胞が別に存し,それに知覚線維が接続する形となる。したがつてこのものではreceptor potentialとgenerator potentialとは別別に存する。聴覚受容器はこの型に属し,有毛細胞が受容細胞であつて,それに聴神経が接続している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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