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文献詳細

雑誌文献

生体の科学21巻4号

1970年08月発行

文献概要

特集 代謝と機能

ヘモグロビンの円偏光二色性

著者: 杉田良樹1

所属機関: 1金沢大学医学部生化学教室

ページ範囲:P.169 - P.175

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 ヘモグロビンはよく知られているようにその生理的機能である酸素との解離結合において平衡曲線はS字状を示す。これはヘモグロビン1分子は2本ずつのα鎖とβ鎖よりなる4量体で,その4個のヘムに酸素が結合するとき,タンパク部分の高次構造の変化を通して現われるヘム間相互作用に基づくものとされ,このためヘモグロビンはアロステリックタンパク質の典型的なものとされている。このような機能特性のもととなるタンパク質の高次構造は,種々の化学的および物理化学的な方法で研究されているが,われわれはヘモグロビンの円偏光二色性の測定により,グロビン部分の高次構造およびそのヘムへの反映について研究中であり,この方法は酸素平衡という機能をタンパク構造から説明するのに重要な知見を与え,理論的解析を行ないうる可能性を持つているのでこれについて述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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