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特集 代謝と機能
赤血球の解糖
著者: 水上茂樹1
所属機関: 1九州大学医学部生化学教室
ページ範囲:P.282 - P.288
文献購入ページに移動私が研究を始めたのが丁度,昭和29年であるにもかかわらず,吉川教授の戦前の主要な研究であるチトクロームの問題にひかれていたので,呼吸をしない赤血球には"不満"を感じて,どちらかというとそつぽを向いていた。しかし,研究開始のころの周囲の熱気に影響を受けたのか,長いlagの後に赤血球の解糖の問題に取り組むようになり,遠く九州に離れて今でもこの問題を続けることになつてしまつた。もちろん15年のあいだに研究方法は変つてきてはいるが,解糖の中間産物の変化を追うという意味では,初期の目的および方法論をそのまま追求していることになる。
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