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文献詳細

雑誌文献

生体の科学21巻6号

1970年10月発行

主題 聴覚・4

視覚と聴覚の比較

著者: 丸山直滋1

所属機関: 1新潟大学脳研究所

ページ範囲:P.407 - P.416

文献概要

 聴覚と視覚とは,各種感覚のうちでももつとも高度の弁別をともなうもので,そこから得られる情報は非常に多彩である。当然その弁別の仕組みも,他の感覚に比しずつと複雑なはずである。聴覚についても視覚についても近年その弁別の仕組みは,かなりくわしく研究されている。それらの結果を通覧してみると両者の間に多くの共通点もあり,また仕組みの点では共通であつても,その効果や意義がまつたく異なる場合も少なくない。両者を比較しながら主要な研究を振り返つてみたいと思う。
 聴覚心理学では,音の三要素として調子・大いさ・音色を挙げている。調子は,周波数に対する弁別であるから,これに対応するものとして視覚では,色覚を挙げることができるであろう。聴覚での大いさには,視覚での明るさが対応されるであろう。また音色は,視覚での形状視に一応対応しうるであろう。しかしながら弁別の仕組みの観点からすれば,刺激の物理的性質からみた要素も,心理学的に抽出された要素も完全には対応していない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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