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文献詳細

雑誌文献

生体の科学22巻1号

1971年02月発行

文献概要

総説

キニンの薬理とその生体における意義(中篇)

著者: 鹿取信1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部付属心臓血管病研究施設薬理研究部

ページ範囲:P.21 - P.55

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 Ⅲ.生体におけるキニン系の動態
 キニン生成酵素(以下キニノゲナーゼとする)とその基質であるキニノゲン,キニン分解酵素(キニナーゼ)などキニン系の諸要素が分離精製されるとともに,その化学について本邦にもすぐれた綜説が多いので,ここでは始め,化学について深く立入らずに先へ進むつもりでいたが,分離精製された各要素の背後になお解きあかされねばならない未知の実体があり,その上生体内にあるキニン系の諸要素すなわち,キニノゲナーゼ,キニノゲン,キニナーゼ,血中のカリクレイン・インヒビター,kinin potentiatorなどの理解なくして生体内のキニン系の動態や意義を考えることができないので,あえて紙面をさき,先人達の業績を省みながら,この系の理解に役立てたいと思う。血液中のキニン系についてよく調べられているので,話はおのずから哺乳類のキニン特にプラズマ・キニン(ブラジキニン,カリジン,メチオニル・リジル・ブラジキニン)について多くを述べることになる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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