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文献概要
主題 Radioimmunoassay
Radioimmunoassay—方法論を中心に
著者: 井村裕夫1 加藤譲1
所属機関: 1京都大学医学部第二内科
ページ範囲:P.160 - P.175
文献購入ページに移動 Ⅰ.はじめに
抗インシュリン抗体と131I標識インシュリンの反応を非標識インシュリンが競合的に阻害するという原理に基づいた新しいインシュリンの測定法,radioimmunoassayを,Yalow and Berson1)(1959)が初めて発表して以来すでに10年以上の歳月が経過した。この間radioimmunoassayは成長ホルモンをはじめ,種々の蛋白ホルモンの測定にひろく応用され,さらに最近ではステロイドホルモンや甲状腺ホルモンに対してもこれらをハプテンとして蛋白と結合させて抗体を作製し,radioimmunoassayを行なうことが可能となつてきた。またホルモン以外の物質,たとえば内因子,オーストラリア抗原,補体,ヂギタリス剤,モルフィンなどについてもradioimmunoassayが成功している。このように過去10年間にradioimmunoassayは著しい発展を示したが,今後種々の微量物質の測定に一層その応用の範囲が拡大されるものと考えられる。
本稿ではradioimmunoassayの実施にあたつて必要な手技,とくに抗体の作製とその検査法,標識ホルモン作製法,測定の実際,とくに結合ホルモン(B)と遊離ホルモン(F)の分離法について述べる。
抗インシュリン抗体と131I標識インシュリンの反応を非標識インシュリンが競合的に阻害するという原理に基づいた新しいインシュリンの測定法,radioimmunoassayを,Yalow and Berson1)(1959)が初めて発表して以来すでに10年以上の歳月が経過した。この間radioimmunoassayは成長ホルモンをはじめ,種々の蛋白ホルモンの測定にひろく応用され,さらに最近ではステロイドホルモンや甲状腺ホルモンに対してもこれらをハプテンとして蛋白と結合させて抗体を作製し,radioimmunoassayを行なうことが可能となつてきた。またホルモン以外の物質,たとえば内因子,オーストラリア抗原,補体,ヂギタリス剤,モルフィンなどについてもradioimmunoassayが成功している。このように過去10年間にradioimmunoassayは著しい発展を示したが,今後種々の微量物質の測定に一層その応用の範囲が拡大されるものと考えられる。
本稿ではradioimmunoassayの実施にあたつて必要な手技,とくに抗体の作製とその検査法,標識ホルモン作製法,測定の実際,とくに結合ホルモン(B)と遊離ホルモン(F)の分離法について述べる。
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