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巻頭言
研究の効率か研究の自由か
著者: 黒住一昌1
所属機関: 1群馬大学内分泌研究所
ページ範囲:P.197 - P.197
文献購入ページに移動紛争の中にあつて学生も,教師もともに「大学の自治」を叫んだが,同時にわれわれの耳を打つもう一つの声は,「研究の指向性」である。『お前は何を研究しようとしているのか』という問いかけが,しばしば研究者であるわれわれに浴びせられた。『研究は趣味ではない。』『一体誰のために研究しているのか。』 という詰問がなされた。学部はともあれ,大学に置かれた研究所には,みな法規に定められた設立の目的がある。だからといつて,大学に保証された「研究の自由」を超えて,ひとりひとりの研究の内容を規制すべきだろうか。たしかに効率よく研究の成果を上げるためには,命令一下ひとつの目標に向かつて,衆知を集めるのがよいにきまつている。
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