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文献詳細

雑誌文献

生体の科学23巻4号

1972年08月発行

文献概要

総説

局所麻酔剤の作用機構

著者: 楢橋敏夫1

所属機関: 1

ページ範囲:P.162 - P.178

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 麻酔剤に限らず,一般に薬の神経に対する作用機構を調べる場合には,少なくとも三つの因子を考慮に入れなければならない。まず第一に薬がどのような機能的変化を神経に及ぼすかということ,第二にイオン化される薬の場合にchargeされた形とchargeされない形と,どちらの形が効いているかということ,第三に神経膜のどこに働いているかということが問題になる。
 神経に働く薬は多くの場合,神経の膜に何らかの機構で影響を及ぼしているということは広く認められている。しかし膜はよく知られているように,決して対称的なものではなく,裏と表が生化学的,生理学的,および薬理学的にみて非常に異なつている。それで薬によつては膜の外側か内側だけに限つて働くことも考えられる。また第二の問題,すなわち麻酔剤の作用形態については過去約50年間にわたつて多くの人々によつて検討され,薬理学上から非常に重要な問題と考えられている28)38)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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