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総説
形態形成と癒合現象
著者: 間藤方雄12
所属機関: 1自治医科大学解剖学教室 2群馬大学医学部解剖学教室
ページ範囲:P.179 - P.196
文献購入ページに移動 Ⅰ.はじめに
器官の形態(Morph)は,その発生過程においてのみならず,病態時においても変化し得るものであることは言うまでもないが,ややもすると各器官の形態をぎわめて固定的な構造と考えがちである。しかしながら,形態は機能と表裏の関係にあり,特に胎生期においては時間的に,実験的に形のみならずその器官の機能も変化し得る可能性を考慮するならば,その器官特有の巨視的,微視的構造を絶対視することぱ危険であろう。現在,私たちの見ている成体器官の形態は,その胎生期における無数の変化の最終的産物である。
形態形成(Morphogenesis)の研究は,発生過程において,"特異的"に行なわれる変化を"時間的"に,"隣接器官との関係"において把握することを目指すとすれば,単にその器官の形態を内因的,遺伝的な因子によるもののみとすることなく,器官の形成中にうける外因的,物理的要因をも吟味する必要があろう。したがつて成体のある器官が形態形成の最終産物として特異な形態をとる故由は,それなりの必然性があり,そのための仕組がその発生過程に組込まれていなくてはならない。
器官の形態(Morph)は,その発生過程においてのみならず,病態時においても変化し得るものであることは言うまでもないが,ややもすると各器官の形態をぎわめて固定的な構造と考えがちである。しかしながら,形態は機能と表裏の関係にあり,特に胎生期においては時間的に,実験的に形のみならずその器官の機能も変化し得る可能性を考慮するならば,その器官特有の巨視的,微視的構造を絶対視することぱ危険であろう。現在,私たちの見ている成体器官の形態は,その胎生期における無数の変化の最終的産物である。
形態形成(Morphogenesis)の研究は,発生過程において,"特異的"に行なわれる変化を"時間的"に,"隣接器官との関係"において把握することを目指すとすれば,単にその器官の形態を内因的,遺伝的な因子によるもののみとすることなく,器官の形成中にうける外因的,物理的要因をも吟味する必要があろう。したがつて成体のある器官が形態形成の最終産物として特異な形態をとる故由は,それなりの必然性があり,そのための仕組がその発生過程に組込まれていなくてはならない。
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