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総説
交感神経節における化学伝達
著者: 登坂恒夫1
所属機関: 1東京医科大学生理学教室
ページ範囲:P.236 - P.251
文献購入ページに移動 Ⅰ.はじめに
交感神経節に関する研究は,Langley1)2)(1891,1893)が交感神経節に対してnicotineが刺激的効果と興奮伝達阻害効果のあることを報告したことにはじめられたといつてよい。その後Dale3)(1914)が,AChにはnicotinicとmuscarinicの作用があるという新しい概念をうちだし今日の自律神経系の化学伝達機序解明の基礎を築いた。
本総説の主題であるslow postsynaptic potentialsの発見は,Langley,Daleの報告より約30〜40年の日時が経過した後である。Eccles4)(1943)は,ネコのcurare処理した星状神経節で節前線維の刺激によつてsurface positive potential(P potential)が発生することをはじめて発見し,ついでLaporte & Lorrente De Nó5)(1950)は,Ppotentialにつづいて小さいが非常に時間経過の長いsurface negative potentialが発生することを見出した。
交感神経節に関する研究は,Langley1)2)(1891,1893)が交感神経節に対してnicotineが刺激的効果と興奮伝達阻害効果のあることを報告したことにはじめられたといつてよい。その後Dale3)(1914)が,AChにはnicotinicとmuscarinicの作用があるという新しい概念をうちだし今日の自律神経系の化学伝達機序解明の基礎を築いた。
本総説の主題であるslow postsynaptic potentialsの発見は,Langley,Daleの報告より約30〜40年の日時が経過した後である。Eccles4)(1943)は,ネコのcurare処理した星状神経節で節前線維の刺激によつてsurface positive potential(P potential)が発生することをはじめて発見し,ついでLaporte & Lorrente De Nó5)(1950)は,Ppotentialにつづいて小さいが非常に時間経過の長いsurface negative potentialが発生することを見出した。
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