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文献詳細

雑誌文献

生体の科学23巻6号

1972年12月発行

文献概要

解説

人工赤血球

著者: 簑島高1

所属機関: 1北海道大学

ページ範囲:P.294 - P.301

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 はじめに
 「血液は生命なり」とはギリシヤ時代(紀元前480年)から現代に至るまで一貫した人類共通の重要な知識である。手術,外傷その他,疾患に対する輸血の意義は,血液中の赤血球と血漿の働きにあるといつてよい。赤血球は酸素を運び,炭酸ガスを緩衝する,血漿は緩衝作用,浸透圧維持,細胞栄養にあづかる。
 輸血に際して圧倒的に利用される保存血液は保存期間(21日)の短いこと,伝染病の仲介をすることなどの欠点がある。すでに液体性の血漿の代りに乾燥血漿が実用化され,また赤血球の保存期間を18カ月までに延長できる冷凍赤血球がアメリカ(1965)で研究され,日本でもその実用化が行なわれている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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