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文献詳細

雑誌文献

生体の科学24巻1号

1973年02月発行

文献概要

総説

血球成分の収縮性蛋白

著者: 柴田宣彦1 巽典之1

所属機関: 1大阪府立成人病センター

ページ範囲:P.20 - P.50

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 はじめに
 血液を構成する血球成分は,赤血球,白血球,血小板であることはいうまでもないが,このうち,筋肉の収縮性蛋白に類似するいわゆるactomyosin-like contractile proteinの存在が初めて確認されたのは血小板であつて,ときに1961年,Bettex-GallandとLüscher1)によつてであつた。この事実を基に,血小板の収縮性蛋白の生物学的役割が多くの研究によつて追究され,現在のところ,その分子論的な機構はまだ明らかにされたとはいえないが,大方の見解として,血小板の凝集,ならびにこれを基礎にした血液の血餅退縮現象の基本的な機構に,本物質の収縮性が関与しているとされている。
 一方,筆者らは,1967年,馬の白血球から収縮性蛋白を抽出することに成功し,それが筋の中でも平滑筋の収縮性蛋白により類似することを明らかにした3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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