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総説
神経細胞の特異性の研究—in vitroの研究を中心にして
著者: 天野武彦1
所属機関: 1三菱化成生命科学研究所
ページ範囲:P.110 - P.135
文献購入ページに移動 最近のシナプス形成を中心とする研究は,一方ではアセチルコリンレセプクーの研究,オートラジオグラフィーによるレセプター部位の局在性,筋細胞の分化に伴うレセプターの変化,正常神経細胞,ニューロブラストーマを用いて生化学的方法によつて神経興奮,刺激伝達の機構を明らかにしようとするNirenberg,3〜13),Nelson18,19),Fambrough25〜29)の研究など,研究は多角的かつ総合的になりつつある1,2)。これらの研究はパストール研究所のJ. P. hangeux43)のアセチルコリンレセプターの研究とともに注目されており,Cajal,Harrison,R. W. Sperry63),最近ではM. Jacobson62)R. M. Gaze61)の神経発生に伴う神経細胞の特異性を決定していく因子の解明の研究と不可分にあり,分子生物学者,神経生理学者の興味をもつている中心課題である。この総説では神経細胞の特異性の問題を中心にしてとくにM. Jacobson,R. Gazeの論説を整理し,ついでこの分野での最近の研究,組織培養法,hybrid細胞,レセプターの研究について述べてみたい。実験の可能性について論ずることもあるので,多くの誤つた推論を重ねる危険があり,読者は批判的に読んでいただくことを希望する。
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