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文献概要
研究の想い出
消化管運動の研究を中心として
著者: 福原武12
所属機関: 1岡山大学 2川崎医科大学
ページ範囲:P.146 - P.151
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私は昭和3年(1928)新潟医科大学を卒業して以来,45年の長きにわたつて生理学研究の道を歩んできた。私の研究分野は,心臓の自働能,消化管運動,呼吸中枢および呼吸反射,消化管以外の内臓器官の運動に分類することができるが,もつとも長く従事したのは消化管運動の研究である。つぎにこの分野において私のたどつた研究の動機とか,その進め方などについて述べてみたいと思う。
私が医大を卒業した当時,日本の生理学会では京都大学と慶応大学の両学派が神経興奮の伝導をめぐつて激しい論争を繰り返していた。この論争は日本の生理学者の自信と自主性を鼓舞する契機となつたという点で日本生理学史上重要な出来事であつたと思う。
私は昭和3年(1928)新潟医科大学を卒業して以来,45年の長きにわたつて生理学研究の道を歩んできた。私の研究分野は,心臓の自働能,消化管運動,呼吸中枢および呼吸反射,消化管以外の内臓器官の運動に分類することができるが,もつとも長く従事したのは消化管運動の研究である。つぎにこの分野において私のたどつた研究の動機とか,その進め方などについて述べてみたいと思う。
私が医大を卒業した当時,日本の生理学会では京都大学と慶応大学の両学派が神経興奮の伝導をめぐつて激しい論争を繰り返していた。この論争は日本の生理学者の自信と自主性を鼓舞する契機となつたという点で日本生理学史上重要な出来事であつたと思う。
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