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学会印象記
第12回生物物理学会年会から
著者: 岩崎静子1
所属機関: 1東京医科大学生理学教室
ページ範囲:P.203 - P.206
文献購入ページに移動 日本に生物物理学会が誕生したのは,1960年のことであつた。まことに多くの分野の人々が各々の望みをいだいてその発会の時に集まつたのである。私もその一人であつた。その多くの望みの故に"生物物理学とは","生物物理学会とは"という根本の問題について,多くのそして激しい議論をしながら各々の内にある"生命現象の基本的理解"をこの学会の目的にしようという結論に達したのであつた。いま,1973年になつて,生物物理学会第12回年会に出席してみて,この目的に向かつていくつかの分野の人達がともに歩いているという実感をもつことができたのは非常にうれしいことであつた。いくつかの学会発表には生理学サイドにある私の心を躍らせるようなものがあつたからであろう。何年か前には,同じような材料を使い同じtechnical termを使いながらどうにも通じ合わぬものが同じ会場の中にあつて苛立たしいものを感じさせられたものであつた。もちろん現在でもこういう場合に遭遇する場合がないわけではないが,ともかく,同じテーブルに坐つて同じ問題について考え討論することができそうな気がしてきたと思える。それが今回私にとつて一番の収穫であつたといえよう。
第12回生物物理学会年会は東京大学理学部物理学教室,和田昭允研究室においてorganizeされ,東京国立教育会館で昭和48年10月5,6.7日の3日間にわたつて開催された。
第12回生物物理学会年会は東京大学理学部物理学教室,和田昭允研究室においてorganizeされ,東京国立教育会館で昭和48年10月5,6.7日の3日間にわたつて開催された。
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