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文献詳細

雑誌文献

生体の科学24巻5号

1973年10月発行

文献概要

総説

神経分泌細胞の刺激受容と興奮伝達

著者: 山下博1

所属機関: 1神戸大学教育学部生理学教室

ページ範囲:P.227 - P.242

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 Ⅰ.はじめに
 最近,生体の制御系として,液性調節に対する興味がたかまつている。液性調節はそれ自身で存在しているのでなく,神経系によつて調節されている。この神経性調節と体液性調節機構を結ぶ接点が神経分泌である。神経分泌細胞は神経系からの入力を受け,一方,体液情報を検知または,その情報を受容器から受け,それらの入力を統合して,活動電位に変換する。一方,神経分泌細胞体で合成,生産した物質を軸索を通して輸送し軸索終末部に貯える。神経分泌細胞で発生し,伝導してきた活動電位は,軸索末端を脱分極させ,軸索末端の分泌顆粒の内容を放出させる。この過程に関係する研究領域は膨大なもので,いままで別々に発展してきた研究が,境界領域の研究として急速に発達しつつある。
 本稿で取り扱うものは,この広汎な神経分泌の研究領域のうち,哺乳動物の視床下部にある代表的な神経分泌細胞である視索上核(SON)と旁室核(PVN)のニューロンについて,その特性を電気生理学的側面から眺めてみたいと思う。この分野での現在の興味と問題点は次に述べるものに集約できると思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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