icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学24巻6号

1973年12月発行

巻頭言

石油危機のなかで

著者: 赤羽治郎1

所属機関: 1信州大学

ページ範囲:P.265 - P.265

文献概要

 この12月初め(1973)から私どもの働く研究室の暖房は朝8時から1時間の通気に制限された。日中でも室温12°〜14℃くらいだから実験にも差支え,ことに動物の飼育条件は最低となつてしまつた。これからさきどうなるか,いまのところ予想もたたないという。
 はげしいインフレ物不足で諸工業の生産は低下するだろうし,車も減るだろうから,水も大気もきれいになることであろう。しかしその反面,工場側は無理な生産性の強化に向うことが懸念される。これまでの環境汚染が経済優先の高度成長路線にのつかつて,人間軽視に発したことを思えば,この経済危機にさいしても,環境規制緩和をきびしく警戒しなければならないと思う。ニュースによると米国では,今次国会にマスキー法自動車排気ガス規制基準の実施をさらに1年延長しようとする修正案が提出されたというが,幸いにこれを下院が否決して,環境保全のなしくずし修正に歯止めしたことが報道された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら