icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学24巻6号

1973年12月発行

文献概要

総説

出血のメカニズムへの1つのアプローチ—蛇毒出血因子(赤血球漏出因子)の研究

著者: 逢坂昭1

所属機関: 1国立予防衛生研究所細菌第2部

ページ範囲:P.266 - P.293

文献購入ページに移動
 Ⅰ.はじめに
 蛇毒は一般に,各種の水解酵素の豊富な宝庫として知られているが1)4),ほかに種々のタンパク性有毒因子(毒素)***を含んでいる1)−4)。これらの有毒因子のなかには,末梢血管系に作用してなんらかの異常を起こさせ,赤血球を血管の外に漏出させる特異な作用(出血作用)を持つものがあり,このような作用を示す有毒因子は出血因子(hemorrhagic Principle;hemorrhagin)と呼ばれる4)5)
 出血因子はマムシ科(Crotatidae),クサリヘビ科(Viperidae)のすべての蛇毒****やある種のクモ毒(Loxosceles科)などの,いわゆる"動物毒素"(animal toxin)中に含まれているほか,ウェルシュ菌(Clostridium welchii;Clostridium Perfringens),ヒストリチクス菌(Clostridium histolyticum),百日咳菌(Bordetella pertussis),志賀赤痢菌(Shigella shigae)などの病原細菌の産生する,いわゆる"細菌毒素"(bacterial toxin)中にもその存在が知られている5)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら