文献詳細
解説
文献概要
はじめに
タバコモザイクウイルス(TMV)は,近代生物学の分野でつねにパイオニア的役割を果たしてきた系である。
1935年,Stanleyは初めてTMVを純粋な形で取り出すことに成功した。ウイルスが,初めて化学物質として単離された歴史的実験である。続いて1937年,BawdenとPirieが,TMVにはタンパク質のほかにRNAも含まれることを見出した。こうしてウイルスの化学的本体が明らかになり,生物としての性質のいくつかをもつウイルスが,化学者や物理化学者の研究対象になりうることが示された。
タバコモザイクウイルス(TMV)は,近代生物学の分野でつねにパイオニア的役割を果たしてきた系である。
1935年,Stanleyは初めてTMVを純粋な形で取り出すことに成功した。ウイルスが,初めて化学物質として単離された歴史的実験である。続いて1937年,BawdenとPirieが,TMVにはタンパク質のほかにRNAも含まれることを見出した。こうしてウイルスの化学的本体が明らかになり,生物としての性質のいくつかをもつウイルスが,化学者や物理化学者の研究対象になりうることが示された。
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