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ロックフェラー大学における研究態勢
著者: 浅沼広1
所属機関: 1ロックフェラー大学神経生理学研究室
ページ範囲:P.363 - P.365
文献購入ページに移動当時のアメリカは欧州に比べればかなり後進国であり,満足な研究所も少ないという事情であつたようです。初代所長にはペンシルバニア大学の病理学教授であつたSimon Flexner博士がなられ,いろいろと創設の苦労をされたようです。1906年に現在のイースト河のほとりに新しい建物が完成し,当時の所員(約10人)が仮研究所から引越して落成式を行なつた記録がありますが,その中に日本人には懐かしい野口英世博士の名前も残つています。創立の目的は,当時は文化的に後進国であつた米国に,欧州の一流研究所に匹敵する研究所をつくることにあつたようで,そのためにFlexner博士が米国に適した新しい制度をいろいろと研究されたようです。興味のあることは,当時の日本にはすでに伝染病研究所があり,ロックフェラー研究所の設立の目標の一つになつていたことです。ちなみに,落成式の記録はつぎの文で始まつております。
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