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CIBAシンポジウム「スターリングの心臓法則の生理学的基礎」に出席して
著者: 松原一郎1
所属機関: 1東京大学医学部生理学教室
ページ範囲:P.366 - P.367
文献購入ページに移動 骨格筋収縮のメカニズムが分子レベルで明らかになつてくるにつれて,その知見を踏まえて心臓の諸性質を見直す努力がなされている。その一環として,1973年9月12日にイギリスで「スタリーリングの心臓法則の生理学的基礎」と題するCIBAシンポジウムが開かれた。骨格筋と心筋の専門家が20名集まり,11の講演と活発な討論が行なわれた。
スターリングの心臓法則は,いろいろな形でいい表わされる。たとえば,「心室が収縮する際になす仕事は,収縮開始直前の心室容積に比例する」というのが,一つの表現である。この心臓法則は,スターリング自身が強調したように,「伸展されるほど,大きな収縮張力を発生し得る」という心室筋線維の性質に基づいている。この性質の原因は,すでにおおまかに見当づけられている。つまり,in vivoの心筋が「長さ—張力曲線」の上行脚で働いているため,伸展によつて発生張力が増す。今回のCIBAシンポジウムでは,この考えが正しいかどうか詳しく検討された。
スターリングの心臓法則は,いろいろな形でいい表わされる。たとえば,「心室が収縮する際になす仕事は,収縮開始直前の心室容積に比例する」というのが,一つの表現である。この心臓法則は,スターリング自身が強調したように,「伸展されるほど,大きな収縮張力を発生し得る」という心室筋線維の性質に基づいている。この性質の原因は,すでにおおまかに見当づけられている。つまり,in vivoの心筋が「長さ—張力曲線」の上行脚で働いているため,伸展によつて発生張力が増す。今回のCIBAシンポジウムでは,この考えが正しいかどうか詳しく検討された。
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