icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学25巻5号

1974年12月発行

文献概要

話題

心筋のvoltage clamp法に関するシンポジウム

著者: 大地陸男1

所属機関: 1自治医科大学生理学教室

ページ範囲:P.486 - P.488

文献購入ページに移動
 ヨーロッパではフランス,ドイツ,スイスなどで心筋のvoltageclampという狭い領域でかなり多数の研究者により密度の高い研究が行なわれている。それらの人達が中心となつて心筋の生理学に関する小規模ではあるが国際的な会合が毎年のようにもたれているようである。
 1970年,パリ大学(Orsay)でCoraboeufによつて組織された"心筋の電気的活動"についてのセミナーは活気にあふれていた。それはRougier,Vassort,Garnier,Gargouil,& Coraboeufがカエルで,Reuter & BeelerやMasher & Peperが哺乳類で,活動電位のプラトー形成に与るslow inward current(Ca電流)の存在を発表した翌年にあたつていた。Reuterの有名なCa電流の論文(J. Physiol)の校正刷がcoffee breakに披露されて人々はそれに群がつた。筆者もslow inward currentの実験でINaを除去するのにholding potentialを脱分極側にずらして不活性化したのはReuterと一致して賢明であつたと満足したりした。1970年の会合では,slow inward currentの存在を疑うものはいなかつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?