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文献詳細

雑誌文献

生体の科学26巻1号

1975年02月発行

文献概要

特集 体内のセンサー 総説

呼吸調節機構のセンサー—化学的調節を中心にして

著者: 名津井悌次郎1

所属機関: 1帝京大学医学部第一生理学教室

ページ範囲:P.13 - P.26

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 肺胞気を介して外気と血液間でおこるO2とCO2のガス交換を外(あるいは肺)呼吸,組織液を介して組織と血液間でおこるガス交換を内(あるいは組織)呼吸という。これらのガス交換によつて,生体は外気からO2を取り入れ,またCO2を外気へ排出しているが,それはつぎの2種類のポンプによつて行なわれている。延髄にある呼吸中枢からの遠心性神経(横隔膜神経と肋間神経)によつて胸廓の筋肉が周期的に収縮,弛緩を繰り返す。その結果,肺胞内の容積が変化し,外気と肺胞気間を気体が受動的に移動(呼〜吸)している。これを肺胞換気あるいは肺胞ポンプ(pulmonary pump)という。他の一つは,心筋の周期的な収縮,弛緩によつて血液循環を駆動させるもので,これを心臓ポンプ(cardiac pump)という。組織では物質代謝量に応じたO2をつねに消費し,CO2を産生しているので,二つのポンプのうち,いずれか一方だけが止まつても生体はたちまちO2欠乏とCO2過剰に陥いる。
 以下,両ポンプが正常に働いている場合のガス交換系全体について述べ,それから体液中の呼吸刺激因子と肺胞換気量との関係を中心にその調節機構を明らかにしてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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