文献詳細
文献概要
解説
生体時計—とくに概日リズムについて
著者: 緒方維弘1
所属機関: 1熊本大学
ページ範囲:P.52 - P.58
文献購入ページに移動生体の機能のうちには,一定の周期をもつて規則正しくその活動消長をくりかえしているものがたくさんある。このような現象を発現させるためには,体内に一種の計時機構が存在し,その統制するところによるという考えが古くから伝えられている。生体時計(biological docks)とはこのような計時機構を意味するものである。
生体が現わしている周期現象には,一昼夜を基本として動いているものがすこぶる多く,一般に生体時計とはただちに24時間を周期とする生体の計時機構と解されているような印象を受けることが多い。これは生体時計なる呼称がわれわれの日常携帯している計時機器である時計を連想させることによるのかも知れないが,他面それだけに24時計周期の基となつている太陽の生体に及ぼす影響の強大さをものがたるものともいえよう。
掲載誌情報