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文献詳細

雑誌文献

生体の科学26巻2号

1975年04月発行

文献概要

特集 感覚有毛細胞 総説

特殊側線器(電気受容器)

著者: 小原昭作1

所属機関: 1帝京大学医学部第一生理学教室

ページ範囲:P.127 - P.141

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 高等動物の内耳を含む聴・側線器系の感覚受容器が"有毛細胞"(機械的受容器)であり,その基本的な構造が魚の表在性側線器によつて代表されることはよく知られている。ある種の魚はこのような通常型側線器(ordinary lateralis receptor)の他に,特殊側線器(specialized lateralis receptor)とよばれる一群の受容器をもつており,これらは形態的には"感覚毛を失なつた有毛細胞"と考えてよく,機能的には水中の電場の変化を検出する電気受容器(electroreceptor)である。
 このような受容器の存在は,はじめ弱電気魚とよばれる連続的に弱い発電を続けている熱帯魚について想定された(Lissmann35))。これらの魚は,①外来の電気刺激にきわめて鋭敏であり,またこねら厳密な行動実験的検証により,まず,電場を検出する未知の受容器の存在が想定されたと同時に,それが魚白身の発する信号によつて周圏の環境を探る感覚系の一錦として使われていることが確立された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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