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文献詳細

雑誌文献

生体の科学26巻3号

1975年06月発行

文献概要

特集 細胞表面と免疫 総説

IgM分子と細胞表面

著者: 清水章1

所属機関: 1大阪大学医学部第三内科学教室

ページ範囲:P.220 - P.231

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 IgM類似の抗体分子がリンパ球表面に存在し,これに抗原が特異的に結合することが,リンパ球から抗体産生細胞へ分化増殖するために必須のステップの一つである。こうして分化したリンパ球は体液性抗体を作る一方,細胞性免疫をになうリンパ球もほぼ同様の機構で増殖するものと思われる。細胞性免疫にかかわるリンパ球もその表面に抗体様分子をもつており,この分子が抗原と結合すると考えられる。リンパ球表面の抗体分子と,抗原と,細胞膜との相互作用はmodern immunologyの主要課題の一つである。抗原がレセプターである膜上の抗体分子の可変領域に結合することによつてレセプター分子におこる変化が,リンパ球表面の他の分子を変化させ,細胞内のなんらかのmessengerが活性化し,遺伝子の発現が変化するという免疫分化の引金の機構が想定される。これらを正しく理解するために,私はやはりレセプター分子の化学的性質を把握することが基本的に重要であると考えている。レセプター分子と細胞表面他成分とのassociationの仕方を明らかにすることは,細胞表面レセプターとそのligandが結合して細胞の機能上の活性を変化させるという一般的な機構を理解するためにも必要であろう。抗原刺激を受ける前のリンパ球のレセプター分子はIgMのモノマーが主であるとされている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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