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IgMの構造
著者: 篠田友孝1
所属機関: 1国立遺伝学研究所人類遺伝部
ページ範囲:P.232 - P.238
文献購入ページに移動IgMはまた細菌凝集性活性,溶血活性あるいは赤血球凝集活性などがIgGクラスの抗体よりは一般に高いことが認められているが,これはIgMが5量体を形成し,多価抗体として存在していることに起因する。多価結合をすることによつて抗原との親和力が増加する結果,ごく低濃度でも他クラスの抗体と比較してより有効な生理活性を示すと考えられる。ワルデンストレムIgMの結合価は10価を示すが,免疫で得られたIgM抗体では時として5価しか示さない場合や,10価のうち強弱2群と考えられるような挙動を示す場合がある。したがつて,IgM抗体の分子内では結合親和性において不均一ではないかとの疑問も生じる。
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