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実験講座
レーザー光による組織の微小破壊
著者: 伊藤文雄1 黒田英世2
所属機関: 1名古屋大学医学部生理学第二講座 2愛知学院大学歯学部生理学教室
ページ範囲:P.247 - P.251
文献購入ページに移動最近,生物学や医学の分野でのレーザーの応用は,特に眼科などで一層進歩した。さらに新しいシステムや新技術が進歩すれば応用の範囲は拡がるだろう。ただ安全性に問題があるとか,いろいろの分野の間の相互関係がしばしば欠除していることなどは重視すべき点である。
現在では紫外部から赤外部までのいろいろな波長を出す多種類のレーザーがあり,continuous wave laser systemのほかに,msecからnsec,さらにはpsecまでの幅のpulse laser systemが開発されている。従来のレーザーは表1に示したものが生物学にはよく用いられる。この内でも紫外線レーザーは生物学の分野で利用度が多い(用途によつては,遠紫外の光を出す超高圧水銀燈を光源とするUVマイクロビームの方がよい場合もあろうし8),経費も少なくてすむ)。これは普通neodymium YAG laser systemからのように,ultraviolet doublerで得られる。最近では全スペクトル域にわたつて選択照射しうる,いわゆるtunable dye laserが生物学の研究に用いられるようになつた。将来はminiature semiconductor laser systemが組織や体腔の深部の照射のために用いられる可能性もある。
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