文献詳細
特集 受精機構をめぐつて
総説
文献概要
はじめに
一般に哺乳類の受精は生体内で行なわれることは周知の事実である。生殖生物学の領域で受精の機序を明らかにすることは,きわめて重大な問題の一つとして取り上げられている。かつまた生体内での受精現象を観察することは困難とされている。したがつて受精の機序ならびに現象を明確にするため古くからいろいろの材料で受精実験が行なわれ,多くの知見が発表されたが,光学顕微鏡的所見によるものがそのほとんどを占めてきた。
近年,電子顕微鏡の発達に伴い,ラット1〜3),ハムスター4〜7),ウサギ8〜12),マウス13)およびヒト14)を材料にした受精の形態学的研究が一段と活発になつてきた。しかしながらStefaniniら13)によつてなされたマウスの研究以外は,研究方法がいずれも卵管より卵を流出させ,または生体外(in vitro)で精子を卵に進入させる方法を用いて研究したものであつた。
一般に哺乳類の受精は生体内で行なわれることは周知の事実である。生殖生物学の領域で受精の機序を明らかにすることは,きわめて重大な問題の一つとして取り上げられている。かつまた生体内での受精現象を観察することは困難とされている。したがつて受精の機序ならびに現象を明確にするため古くからいろいろの材料で受精実験が行なわれ,多くの知見が発表されたが,光学顕微鏡的所見によるものがそのほとんどを占めてきた。
近年,電子顕微鏡の発達に伴い,ラット1〜3),ハムスター4〜7),ウサギ8〜12),マウス13)およびヒト14)を材料にした受精の形態学的研究が一段と活発になつてきた。しかしながらStefaniniら13)によつてなされたマウスの研究以外は,研究方法がいずれも卵管より卵を流出させ,または生体外(in vitro)で精子を卵に進入させる方法を用いて研究したものであつた。
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