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文献詳細

雑誌文献

生体の科学26巻5号

1975年10月発行

実験講座

電子顕微鏡写真技術—電子顕微鏡写真のレベルアップのために

著者: 深見章1

所属機関: 1日本大学文理学部物理学教室

ページ範囲:P.457 - P.463

文献概要

 Ⅰ.電子顕微鏡と写真
 国の内外を問わず,著名な生物の研究者たちの手になる電子顕微鏡写真の中には,門外漢の筆者がみても素晴らしいと思うものがある。その秘密は何であろうか?それを解き明かせというのが,編集担当者の魂胆のようであるが,ここでは逆説的な表現で,どうしたら生物の電子顕微鏡写真のレベルアップができるか,について要点を述べてみたい。
 大局的にみて筆者がお答えできることは二つしかない。誰が撮影しても見事な写真になり得るような電子顕微鏡の試料を作ることがその第一であり,第二にはそれを適切な電子顕微鏡の条件(加速電圧,対物レンズ絞り,その他)のもとで撮影することである。写真の立場としては,普通の電子顕微鏡用感光材料(以下略して電顕感材と呼ぶ)を用い,適正な露出を与え,標準の現像を施すだけでよろしい。何と馬鹿馬鹿しいと思われるかも知れないが,どうにか試料さえできれば,あとは写真の技術で何とでもなるという迷信? を断ち切つた人達だけが事実立派な写真を作つている。要は写真うつりがよくなるように,試料・電顕撮影条件を徹底的に考えることこそ,よい電子顕微鏡写真を作るための"know how"であると声を大にしていいたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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