icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学26巻6号

1975年12月発行

文献概要

特集 自律神経と平滑筋の再検討 総説

消化管運動の内在神経性制御

著者: 大橋秀法1 武脇義1

所属機関: 1岐阜大学農学部獣医学科家畜薬理学教室

ページ範囲:P.508 - P.522

文献購入ページに移動
 消化管運動の直接の担い手は,管壁を構成している平滑筋組織である。この組織を構成している平滑筋は,Bozler(1948)22)の分類に従えば単元筋(single unit muscle)であり,隣接する筋細胞は,nexus34,35)またはgap junction109,135)と呼ばれる構造によつて互いに電気的につながつており,機能的には合胞体のように振舞う。たとえば一部の細胞に発生した興奮は伝導して隣接細胞に拡がり,多くの細胞が同期して収縮を起こす。この型の平滑筋は自働能を有しているので消化管は神経支配が除かれても運動を持続する。正常な消化管運動は,平滑筋の自発活動に起源する運動を中枢が脊髄あるいはより上位の脳中枢にある外来神経反射や壁在神経叢レベルにある局所反射などによつて神経性に調節して形成されているといえよう。この神経性制御を明らかにするためには,各反射弓の求心性経路,求心性経路からの情報を統合,再区分して遠心性経路に渡す中枢および遠心性経路について解明される必要があろう。しかしこれまでの研究は,ほとんど遠心性経路に関するものであり,他の構成要素についての研究成果は少ない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?