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文献詳細

雑誌文献

生体の科学26巻6号

1975年12月発行

文献概要

特集 自律神経と平滑筋の再検討 総説

電圧固定法からみた平滑筋細胞の興奮性

著者: 猪又八郎1

所属機関: 1東北大学医学部応用生理学教室

ページ範囲:P.523 - P.535

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 はじめに
 興奮性細胞の生理学の展開をふりかえつてみると,神経についての研究が先頭に立ち,ついで骨格筋,心筋,平滑筋の順であとを追いかけているようにもみえる。もちろんそれには理由があり,平滑筋細胞の大きさがとくに小さいこともその理由の一つである。しかし,平滑筋にも細胞内電極法やイオンのフラックスの測定が適用されるようになつてから平滑筋の生理学が一段と進歩したことは確かである13,14,57)。さらに一歩進めて興奮の発生とイオン機構との関連をみていくためにはHodgkinら(1952)24,25)が神経に適用した電圧固定法を平滑筋にも応用することができると都合がよいが,これにはいくつもの難点がある。この難点を解決し,平滑筋の生理学に新しい展望をもたらしつつあるのが二重ショ糖隔絶法の応用である。この方法によつて平滑筋の電圧固定を行なつた研究にはAnderson,19693)(子宮筋);Kaoら,196939,40)(子宮筋);Kumamotoら,197046)(結腸紐);InomataとKao,197228)(結腸紐);Tomitaら,197465)(結腸紐);Connerら,197418)(腸管);Vassort,197466)(子宮筋);Buryら,197411)(輸尿管);Daemers-Lambert,197419)(門脈血管);Bolton,19758)(腸管),InomataとKao,1975(輸精管)などがある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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