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サザランド教授の想い出といえば,何といつても,教授の研究に対する限りない情熱と医学への幅広い関心とである。教授は日本の研究者の間では生化学者として知られているけれども,日本の平均的生化学者のイメージからは,ほど遠い,幅広さを感じさせた。医学のありとあらゆる面に強い関心と興味を示しながら,その広い視野の中でサイクリックヌクレオチドの研究を掘り下げてゆく。教授のこの姿勢が筆者の頭の中に描き出されるまでには,教授と接しはじめてから数カ月あるいはもつと長い期間を要した。しかし教授をこのように理解することによつて,筆者の研究に対する考え方が大きく転回していつたのを覚えている。
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