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文献詳細

雑誌文献

生体の科学27巻1号

1976年02月発行

文献概要

特集 光受容 総説

光受容膜における視物質

著者: 吉沢透1 河村悟1

所属機関: 1京都大学理学部生物物理学教室

ページ範囲:P.11 - P.23

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 はじめに
 視覚の研究のうちで,もつとも興味深い問題の一つは,光信号がどのようにして神経系の電気的信号に変換されるかである。光の信号を受容するのは視物質であるから,視覚の初期過程を理解するには,視物質がどのようなもので,光を受容するとどう変化するかを明らかにすることが必要である。従来,視物質の研究は,可溶化された試料を用いて行なわれ,数々の事実が明らかにされてきた。しかし,視興奮のメカニズムを解明するには,視物質を膜系の機能蛋白質としてとらえなければならない。つまり,膜の興奮に膜蛋白質がどのような役割を演じているかを明らかにしなければならない。もともと視物質には,発色団というintrinsicなprobeがあるので,その蛋白質部分を容易に調べることができる。したがつて,視物質を含む膜は,興奮性と膜蛋白質との関係を調べるのに非常に好都合な系であるといえる。以下では視物質と視物質をとりまく膜系について,最近得られた結果を中心に概説したい。なお,不備な点については他の成書・総説を参照されたい1〜7)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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