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文献詳細

雑誌文献

生体の科学27巻1号

1976年02月発行

文献概要

座談会

基礎医学教育の新しい方向

著者: 飯島宗一1 佐野豊2 伊藤正男3

所属機関: 1広島大学・病理学 2京都府立医科大学・解剖学 3東京大学医学部・生理学

ページ範囲:P.52 - P.65

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 伊藤(司会) 近年基礎医学教育が大きな変化の波にさらされ混迷しているように思います。その理由はいくつかあると思いますが,一つには,医学に対する社会的な要請が,以前とは比較にならないほど強くなつており,同時にまた,日本における高等教育全般が非常に一般化してきたことが重要に思われます。そのため医科大学が多数創設され,医学生の数が急激に増加しております。しかし,それに伴う教官数の増加,大学の設備の充実ということが伴わないために,必然的に教育の質が低下してきているのではないかとのおそれがあります。
 第2の理由として基礎医学の各分野における最近の発展が非常に激しいことをあげることができます。次々と新しい知識を吸収し,それをよく整理して学生に教育するということは,簡単なことではありません。さりとて生の新しい情報をどんどん学生にぶつけますと,学生のほうが消化不良を起こしてしまいます。いわゆる情報時代の一つの性格がここに出てきております。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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