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文献詳細

雑誌文献

生体の科学27巻3号

1976年06月発行

文献概要

特集 生体と化学的環境 総説

原生動物のアミノ酸代謝と環境

著者: 北岡正三郎1

所属機関: 1大阪府立大学農学部栄養化学教室

ページ範囲:P.192 - P.201

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 はじめに
 Protozoaの名は1809年Goldfussによつて与えられた。first animalsの意である。はじめは他の微生物も含めていたが,現在の意味ではvon Siebold(1845)が最初に用いた。動物学の分類では原生動物は一つの門(phylum)を構成し,この門に属する種の数は6,000とも,20,000とも,また50,000以上ともいう。海水中,淡水中および土壌中など湿気のあるところに広く分布するほか,動植物の体内に寄生するものもかなりある。
 原生動物は1964年Honigbergの提案によつてSarcomastigophora,Sporozoa,Cnidospora,Ciliophoraの4亜門に分類されることとなつたが,運動方法でつぎのように分類する古いやり方も有用である。
 ① Sarcodina(偽足で動く;例ameba)
 ② Ciliata(せん毛で動く;ciliate)
 ③ Flagellata(べん毛で動く;flagellate) ④ Sporozoa(運動のorganellaなし)
 これら原生動物に共通しているのは単細胞であるということだけで,形態,食性,生理,生活史,その他あらゆる面で極端な差異のある生物を包含している。「誤つて簡単と思われている生物の大きなphylum」と呼ばれる1)所以である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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