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実験講座
高分子阻害剤の合成と応用
著者: 太田英彦1
所属機関: 1東京医科歯科大学医学部生化学教室
ページ範囲:P.254 - P.257
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生体膜の機能を研究する過程は,その機能を発現する構成分子の単離と,単離した構成分子からの生理機能の復元が正統的な進め方と考えられている。一方,各構成分子が生理的な膜構造中でどのような状態にあるのか,という問いかけも,生体膜機能を解明する過程の重要な一側面と思われる。赤血球膜のタンパク,脂質,糖質がどのような極性と相互関係をもつて分布しているのかが注目されるのもそのためである。
ここに記す高分子阻害剤は,細胞膜の一側のみから,そこに阻害剤の作用を受ける部位を露出している。膜の一部を形成する酵素(たとえば,Na+,K+—ATPase)に作用して,膜構造の極性を検出することを目的としている。一部はすでに記したので1),ここでは主にデキストラン—強心配糖体複合物を中心に記すが,当初の目的には必ずしも合わなかつたことをまずお断りしなくてはならない。
生体膜の機能を研究する過程は,その機能を発現する構成分子の単離と,単離した構成分子からの生理機能の復元が正統的な進め方と考えられている。一方,各構成分子が生理的な膜構造中でどのような状態にあるのか,という問いかけも,生体膜機能を解明する過程の重要な一側面と思われる。赤血球膜のタンパク,脂質,糖質がどのような極性と相互関係をもつて分布しているのかが注目されるのもそのためである。
ここに記す高分子阻害剤は,細胞膜の一側のみから,そこに阻害剤の作用を受ける部位を露出している。膜の一部を形成する酵素(たとえば,Na+,K+—ATPase)に作用して,膜構造の極性を検出することを目的としている。一部はすでに記したので1),ここでは主にデキストラン—強心配糖体複合物を中心に記すが,当初の目的には必ずしも合わなかつたことをまずお断りしなくてはならない。
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